2021 大学入学共通テスト 英語リスニング 1次日程 第3問
今回は第3問について解説していきます。
この第3問から、流される音声は1回のみとなり、対話のボリュームも増えます。
ですが、問題を解く姿勢は第1問、第2問のときと同じ。
➀必要な情報と不要な情報を正確に判断する ②聴き取りづらい部分に集中し過ぎない
では、見ていきましょう!
スクリプト 黄色でマーキングした部分が特に聞き取るべき表現
M: Hello, Tina. What are you doing these days?
W: Hi, Mr. Corby. I’m busy rehearsing for a musical.
M: Really? When’s the performance?
W: It’s April 14th, at three. Please come!
M: I’d love to! Oh… no, wait. There’s a teachers’ meeting that day, and I can’t miss it. But good luck!
W: Thanks.
出題意図→先生のやらねばならないことを選択する
前半のやりとりは解答には不要な情報と判断して構いません。
卒業生が「Please come.」と言う辺りで注目する。
その次の先生の発言で解答は決まるだろうと予測しておくこと!
解答➀
スクリプト 黄色でマーキングした部分が特に聞き取るべき表現
M: Where do these boxes go?
W: Put them on the shelf, in the back, and then put the cans in front of them, because we’ll use the cans first.
M: How about these bags of flour and sugar?
W: Oh, just leave them on the counter. I’ll put them in the containers later.
出題意図→最初に片付ける物を選択する
共通テストリーディングの問題についても同じことが言えるのですが、
問題のリード文や選択肢は本文を言い換える
このことはリスニングにも当てはまり、流される音声と問題のリード文、選択肢は言い換えられていることがよくあります。
問13では、問題リード文の「put away(片づける)」という表現は、冒頭の「go」の言い換えとなっています。
逆に、問題リード文と同じ表現が出てきた場合、ミスリードを招くようなことが多いのです。
この問題では、「first」という言葉がトリックとなっていました。
問題リード文の情報からは、片づける物の「順番」を聞き取らなければならないと判断するのが普通ですし、対話内では「first」「later」といった表現も使われているため、苦手な人にとっては結局何を「最初に」片づけるのだろうと思ったかもしれません。
しかし、これは巧妙なトリックで、流される音声では「shelf」「in the back」「in front of」「counter」「container」といった、場所の説明しかありませんでした。
言い換えがない場合は怪しいと判断して臨んだほうが良いということも知っておきましょう。
解答②
出題意図→男性or女性は何をした/しなかった?
スクリプト 黄色でマーキングした部分が特に聞き取るべき表現
W: I didn’t know the meeting was canceled. Why didn’t you tell me?
M: Didn’t you see my email?
W: No. Did you send me one?
M: I sure did. Can you check again?
W: Just a minute …. Um … there’s definitely no email from you.
M: Uh-oh, I must have sent it to the wrong person.
「Which is true…?」タイプの問題では、リスニングスキル以上に、選択肢を速く読む速読力、さらにはその選択肢のグルーピングする力が試されます。
グルーピングとは、この問題の場合、選択肢➀②は男性についての記述、選択肢③④は女性についての記述。また、メールを送ったのか受け取ったのかという違いを見抜くということです。
そこまで確認できていれば、対話内の「Check again?」への返答「no email」が聞き取れれば解答できると思います。
解答③
出題意図→姉は弟のプランをどう思っているか?
スクリプト 黄色でマーキングした部分が特に聞き取るべき表現
M: I’ve decided to visit you next March.
W: Great! That’s a good time. The weather should be much warmer by then.
M: That’s good to hear. I hope it’s not too early for the cherry blossoms.
W: Well, you never know exactly when they will bloom, but the weather will be nice.
問題文から読み取るべきもっとも大事な情報は「姉」がどう思っているか。
つまり
姉の発言に正解の根拠がある!
ということになります。
選択肢に目を通して、「the time」「earlier」「cherry blossoms」「weather」「cold」といった表現から、何らかの「時期」が話題となると予測しておきます。
姉の発言では、「good time」「weather」「warmer」「nice」といった天候に関する表現しかないことに注目する。
解答④
出題意図→男性の機嫌が悪い理由は?
スクリプト 黄色でマーキングした部分が特に聞き取るべき表現
W: Hey, did you get a ticket for tomorrow’s baseball game?
M: Don’t ask!
W: Oh no! You didn’t? What happened?
M: Well … when I tried to buy one yesterday, they were already sold out. I knew I should’ve tried to get it earlier.
W: I see. Now I understand why you’re upset.
選択肢の先読みから、正解は➀ではないかと多くの人が予測すると思います。
後は、そのことを確かめるだけの易しい問題だったのではないでしょうか。
男性の「sold out」という発言で解答は決まります。
解答➀
出題意図→女性のしたことは?
スクリプト 黄色でマーキングした部分が特に聞き取るべき表現
W: Look! That’s the famous actor - the one who played the prime minister in that film last year. Hmm, I can’t remember his name.
M: You mean Kenneth Miller?
W: Yes! Isn’t that him over there?
M: I don’t think so. Kenneth Miller would look a little older.
W: Oh, you’re right. That’s not him.
「何をしたか?」が問われている問題では、選択肢の「動詞」に着目しましょう。
「forgot」「mistook」「told」「watched」といった動詞に目を通しておけば、女性は「忘れた」or「間違えた」or「話した」or「見た」のかに焦点を置いて対話を聞くことができると思います。
女性の最初の発言、「Look!」「famous actor」の部分から、通りに「有名な俳優」がいると伝えていることがわかり、終盤の男性の発言「I don’t think so」から人違いだったとわかります。
解答②
まとめ
第3問は各3点、合計18点。
この第3問から、流される音声が1回のみとなり、その1回に集中しなければなりません。
また、選択肢の英語がセンテンス形式となるものも多いので、素早く選択肢を読み取る力が必要となります。
この第3問でも高度なリスニングスキルは必要ではありません。
最も重要なのは「速読」の力です!
耳を鍛えるよりも、より速く英文を読む力を鍛えるつもりで、今後の勉強に臨んでもらえればと思います。
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